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	<title>メンタルヘルス | 仕事にゅうす</title>
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	<description>仕事に関する謎を解く</description>
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		<title>不況時の経済政策を誤ると人が死ぬよ、という話（書評）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[mkenzow]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 10:34:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[マネジメント]]></category>
		<category><![CDATA[メンタルヘルス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>新型コロナウイルスの感染者数増加が落ち着いて非常事態宣言が解除され、これ以上の経済的なダメージをどう食い止めるかについて焦点が移っている。今回のような深刻な事態で、政府は経済政策としてどのような処方箋を出すのが効果的なの...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>新型コロナウイルスの感染者数増加が落ち着いて非常事態宣言が解除され、これ以上の経済的なダメージをどう食い止めるかについて焦点が移っている。今回のような深刻な事態で、政府は経済政策としてどのような処方箋を出すのが効果的なのだろうか。
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  </p>
<p>過去、大不況に直面した国の政府は国民に対し、主に二つの治療薬のいずれかを選んで投与している。二つの治療薬とは「財政緊縮策」と「財政刺激策」である。</p>
<p>財政緊縮策とは、政府債務や財政赤字増大といった症状への緩和と景気の落ち込みの治療を目指す薬で、具体的には健康保険、失業者支援、住宅補助等への政府支出の削減である。一方、本書でいう財政刺激策とは社会的セーフティネットに積極的に予算配分することだ。</p>
<p>たとえば、リーマンショック後の世界同時不況において、イギリスやギリシャ、スペイン、イタリアが財政緊縮策を選択し、スウェーデンやアイスランド、デンマーク等では緊縮策をとらず、セーフティネットの強化に予算を充てた。</p>
<p>さらに歴史をさかのぼれば1929年のウォール街大暴落に端を発する大恐慌で、アメリカは有名なニューディール政策をとったが、実は積極的に採用した州とそうでない州があった。ソ連崩壊後の旧東側諸国や1990年代の通貨危機後のアジア諸国でも、二つの治療薬の選択が行われた。</p>
<p>つまり、昔から重大な経済危機時のたびにこの治療薬問題は浮上し、そのたびにイデオロギー対決の様相になるのがお決まりの展開なのだ。</p>
<p>『<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/B087C15XV9/ref=as_li_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=B087C15XV9&amp;linkCode=as2&amp;tag=hatarakikata-22&amp;linkId=d695c71d15edd214ac15173aff1afa9f" target="_blank" rel="noopener noreferrer">経済政策で人は死ぬか？：公衆衛生学から見た不況対策</a><img decoding="async" style="border: none !important; margin: 0px !important;" src="//ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=hatarakikata-22&amp;l=am2&amp;o=9&amp;a=B087C15XV9" alt="" width="1" height="1" border="0" />』は二つの治療薬の比較試験を行った研究者が、一般にもわかりやすくその結果をまとめている。著者たち自身が執筆した査読論文がベースで、つまりはイデオロギーではなくエビデンスに基づいた話が展開されているが、この手の本にありがちな小難しさはできるだけ排除され、一般の読者に研究成果を広めようとする意図が伝わる。</p>
<p>著者たちは、不況をめぐる議論はGDPや財政赤字、政府債務などに焦点があてられ、人間の健康や幸福についてはあまり語られないと指摘する。本書の特徴はこの「人間の健康や幸福」という観点から財政緊縮策と財政刺激策がどのような結果をもたらしたかを明らかにしている点で、その結論は、緊縮策を採用した国は不況の長期化と健康被害をもたらし、公共部門への投資を増やした国は景気回復が早く、公衆衛生上の危機を防いだというものだ。健康にとっては危険なのは不況そのものではなく、無謀な緊縮政策であると。</p>
<p>たとえば、リーマンショック時の金融危機でアイスランドのGDPは2年で13%落ち込み、失業率は3%から7.6%に跳ね上がった。IMFからは融資と財政緊縮策をセットにした支援プログラムが提示され、そこには保険医療関連予算を30%削減する内容が含まれていた。</p>
<p>しかし国民が抗議の意思をデモや国民投票で示したアイスランドはIMFの極端な緊縮策を拒否し、社会保護政策を堅持した。その結果、07年にGDPの42.3%だった政府支出は翌年、57.7%に急増したが、緊縮政策の支持者が言うようなインフレ率の上昇や負債の膨張、海外依存度上昇などにはつながらず、深刻な健康危機も生まれなかった。</p>
<p>そして12年にアイルランド経済は3%成長を達成し、失業率は5%を切り、IMFから借り入れた資金の返済も始まった。</p>
<img decoding="async" class="alignnone size-full wp-image-544" src="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/2020/06/640px-20110630_Riot_Police_Syntagma_Athens_Greece.jpg" alt="" width="640" height="425" srcset="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/2020/06/640px-20110630_Riot_Police_Syntagma_Athens_Greece.jpg 640w, https://shigotonews.com/wp-content/uploads/2020/06/640px-20110630_Riot_Police_Syntagma_Athens_Greece-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" />
<p><span style="font-size: 10px;">2011年6月29日アテネ・シンタグマ広場での暴動取り締まり（著作権者：<a title="ウィキメディア・コモンズ経由で" href="https://commons.wikimedia.org/wiki/File:20110630_Riot_Police_Syntagma_Athens_Greece.jpg">Ggia</a> / <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0">CC BY-SA</a>）</span></p>
<p>一方、ギリシャもリーマンショック時に経済的な打撃を受け、GDPは09年に3.1%、10年に4.9%と大きく落ち込む一方、失業率は08年の7%から11年には17%に跳ね上がった。自殺者は急増し、とくに男性は07年から09年にかけて自殺率が24%上昇した。</p>
<p>救済を要請されたIMFは09年にGDPの13%だったギリシャの財政赤字を14年までに3%以下に引き下げることを重点目標とし、公務員の解雇や年金の凍結等による歳出の大幅削減、国営企業の売却、付加価値税の引き上げなどからなる緊縮策を提示した。市民から抗議の声は上がったが、10年にギリシャ政府はIMFの緊縮策を飲んで巨額の資金援助を受けた。</p>
<p>アイスランドと異なり、ギリシャはIMFから条件として課された緊縮策をそのまま実施したのである。</p>
<p>その影響はギリシャ国民の生活や健康に表れた。住宅の差し押さえが急増し、ホームレス人口が2年で25%増加し、殺人事件は07年から11年で2倍に増えた。不況に加え緊縮政策で公衆衛生予算を削減した結果、感染症の発症率が急上昇し、ウエストナイルウイルス感染症やマラリアが発生したほか、HIV感染者が急増した。苦境に立たされた若者たちが路上生活を強いられ麻薬に手を出し、注射針の使いまわしによる感染が増えたためである。</p>
<p>予算が削減された病院では必要な医薬品を調達できなくなり、支払いが滞ったため製薬会社がギリシャから撤退し、5万人の糖尿病患者からインシュリンが奪われた。医師や職員が削減され、診てもらえない患者が増え、著者たちはこの時期、必要な治療を受けられなかった65歳以上の高齢者は6万人に上ると試算している。</p>
<p>これだけの犠牲を払いながらギリシャの政府債務は増え続け、11年にはGDPの165%に達した。IMFは12年に緊縮政策の間違いを認めざるを得なかった。本書はIMFの支援策をこう批判している。</p>
<p>「“支援”のはずの救済策は、実際には雇用減少、消費低迷、投資低迷、信用失墜といった負のスパイラルを招き、その弊害が“健康危機”となって表れた。」</p>
<p>　こうした過去の政策検証はいま、消費増税による景気低迷に新型コロナウイルスのダメージが直撃した、日本の経済政策を考えるうえでの指針を与えてくれる。</p>
<p>それは不況時に緊縮政策をとりセーフティネットの予算が削減されると失業や住宅差し押さえの発生により、人々の健康は大きな打撃を受けるが、社会保護政策への先行投資は正しく運営される限り短期的に経済を押し上げる助けとなる。つまり健康維持と債務返済の両立は可能であるという点であろう。</p>
<p>今のところ日本の新型コロナ経済対策は本書の主張と同じ方向を向いていると思われるが、怪しげな動きも散見される。なぜか日本では「痛みに耐える」式の緊縮政策が人気を集め、推進されてきたが、それが失われた20年を招いたことはいい加減に学習するべきだし、不況下でその政策をとることは、景気はおろか国民の生活と健康に深刻なダメージを与える事実は共有しておくべきだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
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			</item>
		<item>
		<title>「高橋まつりさん過労自殺事件」と26年前の「電通事件」、共通点と相違点</title>
		<link>https://shigotonews.com/archives/20170105.html</link>
					<comments>https://shigotonews.com/archives/20170105.html#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[mkenzow]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 05 Jan 2017 04:36:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メンタルヘルス]]></category>
		<category><![CDATA[労働問題]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>電通石井社長らによる謝罪から会見が始まりました 【労働基準法違反の疑いで書類送検】電通・石井直社長 記者会見 生中継 #nicohou #電通 https://t.co/5GQ4VPmJwf pic.twitter.co...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja">
<p dir="ltr" lang="ja">電通石井社長らによる謝罪から会見が始まりました 【労働基準法違反の疑いで書類送検】電通・石井直社長 記者会見 生中継 <a href="https://twitter.com/hashtag/nicohou?src=hash">#nicohou</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%9B%BB%E9%80%9A?src=hash">#電通</a> <a href="https://t.co/5GQ4VPmJwf">https://t.co/5GQ4VPmJwf</a> <a href="https://t.co/RuRcgLBXto">pic.twitter.com/RuRcgLBXto</a></p>
<p>— ニコニコニュース (@nico_nico_news) <a href="https://twitter.com/nico_nico_news/status/814050581853523968">2016年12月28日</a></p>
</blockquote>
<p><script async src="//platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　電通の新入社員であった高橋まつりさんの過労自殺事件は昨年末、労働基準法違反で会社と当時の上司が書類送検され、石井直社長が辞任を表明する事態になりました。</p>
<p>　組織運営に不備の多い新興企業ではなく、歴史ある日本最大の広告代理店で社員の待遇も最高水準の、誰もが一流企業と認める電通で起こった過労自殺事件は世の中に大きな衝撃を与えるとともに、一連の報道によってよく知られるようになってきたのが電通では過去にも過労自殺事件が発生し、最高裁で電通に多額の損害賠償が命じられた事実です。</p>
<p>  26年前の1991年8月に入社2年目の若手社員が自殺し、遺族が電通を相手取って損害賠償請求を起こし勝訴したこの事件は「電通事件」として非常に重要な判例になっています。どのような経緯があって過労自殺が起きたのかについて第一審の判決文に基づいて整理し、高橋まつりさんの事件との共通点と相違点について考えてみます。</p>
<p>
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</div>
  </p>
<h3>電通事件の概要</h3>
<p> 　電通事件は、新卒で電通に入社した男性社員が約1年5か月後の1991年8月27日、24歳で自殺した事件である。両親が電通に対し損害賠償請求を起こし、第一審で長時間労働と自殺の因果関係、電通の安全配慮義務違反が認められ1億2600万円という高額の損害賠償が命じられた。</p>
<p>　その後、東京高裁の第二審では一審判決の内容を概ね肯定したが本人の性格や両親の対応を理由に賠償金の3割を減額。そして2000年3月に最高裁が第二審の判断を破棄し、差戻しを命じた。最終的には東京高裁の差戻審で電通が遺族に約1億6800万円を支払うことで和解が成立した。</p>
<p>　それまで自殺は労働災害の対象外とされていたが、この判決ではうつ病という精神疾患で労働者が正常な判断能力を失ったり減退したりした場合、自殺を故意によるものではない労働災害と認定し、被災者遺族の救済を図った。しかも男性社員は精神科の通院歴はなく、うつ病の認定は裁判所が事後に推定したものであった。これらの点に電通事件の大きな意義がある。</p>
<p>　この裁判はその後の過労うつ病・過労自殺裁判のリーディング・ケースとなり、過労うつ病・過労自殺裁判が増加していくきっかけになった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>男性社員はどんな人物だったか</h3>
<p>　被災者である1966年生まれのAさんは高校時代、テニス部の部長を務め、テレビドラマにも準主役で出演。明治学院大学法学部に入学すると夜間はアントレプレナーカレッジに通い、ACE(Association of Collegiate Entrepreneurs)がサンフランシスコで開催した国際会議に神奈川地区の学生代表として出席した経歴を持つ。</p>
<p>　性格は明朗快活で素直で優しく、責任感があり礼儀正しい性格であった。また粘り強く完璧主義で、手抜きをせずに真面目にやる人物であったとされる。最近の言葉を使えば「意識高い系」といえよう。</p>
<p>　1990年に大学を卒業し、電通に入社。同期入社は179人で、新入社員集合研修を経て6月にラジオ局ラジオ推進部に配属された。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>仕事の内容と職場環境</h3>
<p>　ラジオ推進部の業務はスポンサーに対するラジオ番組を放送する時間枠のセールスやイベントなどの企画、実施であった。ラジオ推進部には2つの班があり、Aさんは社員Sがリーダーの班に所属していた。</p>
<p>　Aさんの職場における通常のタイムテーブルは、始業時刻の9時30分ころに放送局や営業局、スポンサーなどから電話のラッシュを受けた後、放送局やスポンサーに出向いたり営業局員と打合せをしたりして日中を過ごし、夕方に再び電話のラッシュを受けた。それが終わる午後7時頃に夕食を取り、その後ようやく落ち着いて企画立案や資料づくりができるようになる状況だった。</p>
<p>　Aさんは、入社1年目はリーダーのSと概ね一緒に行動したが、91年に入ると7割程度は単独で仕事をするようになった。90年7月から91年8月までの間にAさんは少なくとも40社をスポンサーとして担当し、常時数社のスポンサーを相手に会社によって異なる業務を同時並行的に行っていた。</p>
<p>　Aさんは酒を飲まないほうだったが、社内外の酒席が設けられることも多かった。当時はそんな言葉はなかったが、そこにはパワハラの存在がうかがえた。</p>
<blockquote>
<p>
 　一月に一度は班の飲み会があり、酒を無理強いされて醜態を演じたこともあった。また、酒の席で、訴外Sから靴の中にビールを注がれて飲むように求められ、これに応じて飲んだことや、同人から靴の踵部分で叩かれたことがあった。平成二年一〇月ころの時点では、ラジオ局員の中には、他の部署に移りたいと希望する者が多かった。</p>
</blockquote>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>極めて過酷な業務</h3>
<p>　新入社員であるAさんはすぐ職場に馴染み、意欲的に仕事をし、周囲からも好感を持たれていた。</p>
<blockquote>
<p>
 　（Aさんは）自分の業務に対して、非常に意欲的であり、積極的に仕事をし、早い時期から職場の雰囲気に慣れていった。同人は、上司や担当営業局員、スポンサーからも可愛がられていた。</p>
</blockquote>
<p>　一方、入社初年度の秋に会社へ提出したAさんの申告書には、業務上の不満として担当スポンサーが多く慢性的に深夜残業があること、参考資料が少なくデータに基づいたプロモートができないことが記載されていた。</p>
<p>　Aさんは入社したての90年6月からしばらくは終電車やタクシーで同日中に帰宅していたが、8月頃から翌日の午前1時～2時ころに帰宅する日が多くなった。11月末頃になると帰宅しない日があるようになり、翌91年に入ると帰宅時間は次第に、さらに遅くなっていった。</p>
<p>　両親は90年11月頃から過労で体を壊すのではないかと心配していたが、できるだけ本人の自主性に委ね、相談があれば応じようと考えていた。だが、Aさんは仕事の辛さを両親に訴えることはなかった。また、90年11月以降のある日曜日、父が休暇を取るように勧めると、Aさんはこう答えた。</p>
<blockquote>
<p>
 　自分が休んでしまうと代わりの者がいない、かえって後で自分が苦しむことになる、休暇を取りたい旨上司に言ったことがあるが、上司からは仕事は大丈夫なのかと言われており、取りにくい</p>
</blockquote>
<p>
 　91年7、8月頃になると帰宅しない日が多くなり、帰宅時間も午前6時30分や7時頃が多くなった。このような早朝に帰宅した日も、Aさんは始業時間に間に合うよう午前8時には家を出るようにしていた。</p>
<p>
 　</p>
<h3>自殺直前の様子</h3>
<p>　91年8月24日から26日まで、Aさんは長野県で開催されたラジオ局主催、スポンサー企業後援の番組リスナー招待イベントのために自分の車で出張した。イベントではおみやげセットやコンサート入場整理係等のほかジュースを冷やしたり自分の車で買い出しをしたりなど、招待客を楽しませるための雑用係を担当した。</p>
<p>　上司Sは休暇も兼ねて、イベント開催地近くに妻が持つ別荘に前日から宿泊していた。非常に元気のない様子だったAさんを見かね、仕事が終わった後に自分の別荘へ来るよう誘った。この日の昼過ぎの話では、Aさんは午後9時頃には別荘に行けると話していたが、実際に到着したのは夜中の12時頃であった。</p>
<p>　途中まで自分の車を運転してきたAさんを、リーダーのSは車で迎えにいった。ところが車2台で別荘に向かう途中、Aさんは蛇行運転をしたり、パッシングをしたり、離れたりくっついたりと明らかにおかしな様子を見せた。別荘に着いた後、こんなやり取りがあった。</p>
<blockquote>
<p>　Sの妻が一郎の顔色が悪いため、「大丈夫なの。」と尋ねたところ、「僕、霊にとりつかれちゃったみたいなんですよね。」と答えた。訴外Sが「馬鹿なことをいってんじゃないよ、仕事がつらいのか。」と言ったところ、「いや、それも分からない」とか「もう人間として駄目かもしれないんです。」「自分で今、何をしているのかよくわからない。」「自分で仕事をどうやって組み立ててやっていいかわからない。」等と答えた。</p>
</blockquote>
<p>
 　そしてイベントが終わり27日の午前6時頃、Aさんは車で帰宅。午前9時頃、同僚に電話をして「体調が悪いので会社を休む」と告げた1時間後、自宅で自殺しているのが発見された。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>隠されていた残業時間</h3>
<p>　電通事件裁判で主に争われたのは、Aさんの労働時間が社会通念上許容される範囲を超えた過剰なものであったか、過剰だったとして長時間労働と自殺との間に相当因果関係が認められるか、電通に安全配慮義務違反などの過失が認められるかどうかであった。</p>
<p>　電通と遺族で、互いに主張する労働時間には大きな食い違いがあった。電通は「時間外勤務は突出して多いものではない」とし、遺族は「平成三年一月から八月までの一ヵ月当たりの平均残業時間は一四七時間に及」び、実際にはそれをさらに大きく上回るとした。</p>
<p>　この違いは、社員が自分で申告する「勤務状況報告書」の記載に基づくか、監理員が午後6時以降翌朝まで巡回して在館者を記録する「管理員巡察実施報告書」と、建物が閉鎖される午前二時以降の退館者が退館時にサインする「深夜退館記録簿」に基づいて労働時間を算出するかによって生まれていた。</p>
<p>　電通は「在館時間がそのまま勤務時間であるということはできない」と主張したが、同僚はAさんは基本的に在館中は仕事をしていたと証言した。また、電通の労働組合は次のような調査結果を出していた。</p>
<blockquote>
<p>　平成三年一月から一二月を対象とした、被告の労働組合の調査によれば、午後一〇時以降の勤務状況報告表への記載について、真実と異なる申告をした者の割合が、男子につき四二．九パーセント、女子につき五八．七パーセントに及んでいる</p>
</blockquote>
<p>　電通では会社と労組の幹部が出席して毎月一回、社員の勤務状況などについて話し合う三六協議会で、以前から三六協定違反の長時間労働が懸案事項となっていた。つまり、当時の電通ではAさんだけでなく多くの社員が深夜残業を過少申告していたわけだ。</p>
<p>　なぜ、電通では残業時間の過少申告が横行していたのだろうか。</p>
<p>　電通では労働時間が三六協定で定められた上限を超過した場合、その所属の部長が顛末書を作成し、人事局長または総務局長へ提出することになっており、残業時間が月間九〇時間を超えた社員は、上司から理由を聞かれることになっていた。</p>
<p>　ところがAさんは両親に対し勤務状況報告表に「残業時間は全部書いてはいけないと言われている」と話していた。Aさんの話が本当なら、上司の強制によって過少申告が行われていたわけだ。</p>
<p>　一方、Aさんと同期入社でラジオ局に配属された社員Tは「勤務状況報告表に記載する残業時間を抑えるようにとの指導は受けたことがなかった」としたが、次の証言をしている。</p>
<blockquote>
<p>　時間外労働時間が九〇時間を超えると、上司からどういう作業をしているのか質問されるため、上司に説明しきれない自信のない作業については、これを除外するほか、食事や仮眠、雑談等に費やした時間を除外したうえ、勤務状況報告表に労働時間を記入していた。</p>
</blockquote>
<p>　上司からのプレッシャーや手続きの煩わしさから、自主的に残業時間を正確に申告していなかったのである。</p>
<p>　これは休日出勤についても同様で、社員Tは休日出勤も多かったが、休日出勤をする場合は本来、事前に予定業務を記載して申請し、事後に業務時間を記載した書類を提出し部長の印をもらわなければならないなど手続きが面倒なため、休日出勤をしても申請しないことが多かった。</p>
<p>　強制性と自主性の両面から、電通では労働時間が正確に申告されず、労働時間規制はまったく機能しないザル法になっていた。一審判決では遺族側の主張が認められ、Aさんの労働時間について「社会通念上許容される範囲をはるかに超え、いわば常軌を逸した長時間労働をしていたものというべきである」とされた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>機能しない会社の健康対策</h3>
<p>　ただ正確な労働時間は申告されていなかったが、Aさんの直属の部長であるU部長は91年3月頃にはAさんの長時間労働を認識し、リーダーSに告知したが、それを軽減させるための措置は何も取らなかった。リーダーSも「なるべく早く仕事を切り上げるように」と注意したものの、単なる指導にとどまり具体的な軽減策は何も行わなかった。</p>
<p>　加えて自殺の1か月前である91年7月頃、SはAさんの顔色が悪く健康状態に問題があることに気付いていたが、従来通りの業務を続けさせ、健康を配慮して業務を軽減させる措置は何も取らなかった。</p>
<p>　このため、判決ではU部長とSリーダーには安全配慮義務の不履行があり、電通には損害賠償義務があるとされた。</p>
<p>　一方、電通は裁判において安全配慮義務を尽くしていたと主張し、その根拠は次のようなものだった。少し長いが引用しておこう。</p>
<blockquote>
<p>　健康管理センターを設置して社員の健康管理に十分配慮し、社員の退社が深夜に及ぶことが少なくないため、被告の経費で社員がホテルに泊まることができるようにして、社員の肉体的負担の軽減を図り、深夜まで勤務した社員には出勤猶予制度を設け、無制限のタクシー乗車券を支給し、時間外労働の特に多い社員には、ミニドックでの特別な健康診断を行うことを義務付け、社員の自己申告による勤務状況報告表により、社員の労働時間の実態の把握に努め、社員の労働時間の改善について被告の労働組合と協議し、常時労使一体となって、社員の労働時間の改善に努力していた。</p>
</blockquote>
<p>　これらを眺めると、深夜残業が多いことを前提にホテルやタクシーを用意している反面、具体的な労働時間削減、すなわち業務量の削減には手を打っていなかったことがわかる。また、ミニドック等の措置は正確な労働時間を把握していないため、実質的に機能していなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>高橋まつりさん事件と電通事件の共通項</h3>
<p>　以上のように、Aさんは過大な業務を課され「社会通念上許容される範囲を超えた」長時間労働に従事していたが過少申告していた。それはAさん個人だけではなく、他の同期社員も同様であった。</p>
<p>　配属されたのは異動を希望する者が多い部署で、1日のタイムスケジュールは午後8時以降にようやく集中できるようになっていたほか、業務内容にはイベントで買い出ししたりジュースを冷やしたりといった雑務も含まれていた。上司からのパワハラの存在もうかがえた。</p>
<p>　Aさんの性格はテニス部の部長を務めたり、学生時代に国際会議の県代表になったりと、いわゆる「頑張り屋」で努力家であったことがわかる。「粘り強く完璧主義で、手抜きをせずに真面目にやる人物」であった。</p>
<p>　一方、高橋まつりさんの労働時間は遺族側の積算によると1か月で130時間に達したが、会社に申告していたのは労使協定に基づいて残業ができる月70時間ギリギリに抑えられていた。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="font-size: 14px;">（出典：東京新聞　<a href="http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016103002000110.html">＜過労社会 電通ショック＞　（２）残業７０時間超えれば…作文</a>）</span></p>
<p>　仕事は本来の業務以外に忘年会の準備などの業務があり、職場ではパワハラやセクハラもあった。また、配属された部署は「若手社員のなかでも評判の『行きたくない部署』だった」。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="font-size: 14px;">（出典：朝日dot.　<a href="https://dot.asahi.com/aera/2016101800075.html?page=1">過酷電通に奪われた命、女性新入社員が過労自殺するまで</a>）</span></p>
<p>　性格は母子家庭で塾に通わず東大に合格した努力家で、就職活動のエントリーシートの自己PR欄には「逆境に対するストレスに強い」と書いていた。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="font-size: 14px;">（出典：ハフィントンポスト　<a href="http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/24/matsuri-takahasi-mother_n_13846600.html">電通過労自殺、母が命日に手記「どうして娘を助けられなかったのか&#8230;」（全文）</a>　）</span></p>
<p>　Aさんと高橋まつりさんに共通していた点をまとめてみよう。</p>
<p>・入社間もない若手社員<br />
 ・常軌を逸した長時間労働と、それでも削減されない業務量<br />
 ・残業時間の過少申告と残業時間規制の不機能<br />
 ・本業以外の雑務的業務の存在<br />
 ・パワハラ<br />
 ・社員に評判の良くない部署への新人配属<br />
 ・頑張り屋、努力家、粘り強い性格</p>
<p>　結局、Aさんの電通事件と高橋まつりさんの過労自殺事件は相似形で、四半世紀も前に明らかになっていた社内の労働問題を放置した結果、新たな被災者が生まれてしまったと言えよう。経営者の辞任は当然の措置である。</p>
<p>　また、真面目な努力家という本来企業にとって望ましいパーソナリティは、業務が過重な職場においてはそれゆえに潰されてしまうことがわかる。エイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人社長が自身のブログに「好きで仕事をやっている人に対しての労働時間だけの抑制は絶対に望まない。」と書いて話題になったが、電通の2つの事例を見るとそれは非常に危うい考え方である。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="font-size: 14px;">（出典：ハフィントンポスト　<a href="http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/23/avex-claims_n_13806948.html">エイベックス松浦勝人社長、長時間労働是正勧告を受け持論 「法律が現状と合っていない」</a>）</span></p>
<p>　一方、電通事件と高橋まつりさんの事件で大きく異なるのは、外部からの反応の大きさである。電通事件でも批判は浴びたが、今回の報道量のほうがずっと大きい。世の中に長時間労働は害悪であるという認識が広まったためで、時代の変化が見えていない老人が「<a href="http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/08/pro-hasegawa-talks-bout-dentsu_n_12411532.html">残業時間が100時間を越えたぐらいで過労死するのは情けない</a>」と言って炎上し謝罪に追い込まれたのはその表れだろう。</p>
<p>　2000年に最高裁で判決の出た電通事件は、過労自殺・過労うつ病の被災者救済の道を開いたが、多くの日本企業の過重な労働環境を改善させるには至らなかった。だが、電通と上司が書類送検された高橋まつりさんの事件は今後、経営者に過重労働を放置するリスクを強く意識させていくことになると思われる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: 14px;">（参考文献・URL）</span></p>
<p><span style="font-size: 14px;">『労働判例』1996.6.15（No.692）</span></p>
<p><span style="font-size: 14px;">外井浩志『労災裁判例に学ぶ企業の安全衛生責任』労働新聞社</span></p>
<p><span style="font-size: 14px;">こころの耳　<a href="https://kokoro.mhlw.go.jp/case/634/">[事例1-1] 長時間労働の結果うつ病にかかり自殺したケースの裁判事例（電通事件）</a></span></p>
<p>&nbsp;</p>
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<p>&nbsp;</p>The post <a href="https://shigotonews.com/archives/20170105.html">「高橋まつりさん過労自殺事件」と26年前の「電通事件」、共通点と相違点</a> first appeared on <a href="https://shigotonews.com">仕事にゅうす</a>.]]></content:encoded>
					
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		<title>弁護士による「過労死等の防止のための対策に関する大綱」解説、覚書き</title>
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		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 24 Nov 2015 12:00:58 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メンタルヘルス]]></category>
		<category><![CDATA[労働問題]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>&#160;　今月19日に「過労死等防止対策推進シンポジウム（東京会場）」が開催されました。これは今年7月に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に基づき、厚労省が民間団体と連携して実施しているイベント...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><a href="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/3/1/31c6f0bb.jpg" title="P_20151119_144433_HDR" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async"  src="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/3/1/31c6f0bb-s.jpg" alt="P_20151119_144433_HDR" class="pict" border="0" height="360" hspace="5" width="640"></a><br />&nbsp;　今月19日に「過労死等防止対策推進シンポジウム（東京会場）」が開催されました。これは今年7月に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に基づき、厚労省が民間団体と連携して実施しているイベントで、東京も含め全国29会場で開催されます。</p>
<p>　<b><a href="https://www.p-unique.co.jp/karoushiboushisympo/" target="_blank" rel="noopener">過労死等防止対策シンポジウムのウェブサイト</a></b></p>
<p>　東京会場では弁護士や産業医など識者によるプレゼンとパネルディスカッション、過労死家族の会による体験談発表がありました。</p>
<p>　このシンポジウムのなかで「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の意義と活かし方と題し、過労死弁護団の玉木一成弁護士から大綱についての解説がありました。よく整理された内容だったので、以下に要約しておきます。（私のメモと記憶、配布された資料に基づく記述なので、間違いや問題などありましたらご指摘ください。）</p>

<p>
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</div>
  <br />
<span  style="font-size: large;"><u><b>◎過労死、過労自殺を防止するための三つの目標</b></u></span></p>
<p>「過労死等の防止のための対策に関する大綱」（以下大綱）は、2014年11月に施行された過労死等防止対策推進法に基づき、過労死や過労自殺の防止対策を効果的に推進するために定められた。大綱の決定については厚労省に設置された過労死防止対策協議会の意見を聴くことになっており、そこには当事者代表（過労死遺族）4人も参加している。</p>
<p>　過労死等を防止するための対策の基本的な考え方は、実態解明のための調査研究が急務であるとともに、長時間労働を削減し、仕事と生活の調和を図ることとなっており、次の三つの目標が掲げられている。</p>
<p>① 　平成32年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以内に<br />　　　　現在、労働者全体では1割弱、30代男性では17.0%となっている。<br />②&nbsp; 年次有給休暇取得率を70%以上に<br />　　　　現在の取得率は5割を下回り、正社員の約16%が1日も取得していない。<br />③&nbsp; 平成29年までにメンタルヘルス対策に取り組む事業場を80%以上に<br />　　　　平成25年は60.7%にとどまっている。</p>
<p><span  style="font-size: large;"><u><b>◎法的規制と36協定の抜け穴</b></u></span></p>
<p>　なぜ長時間労働を防げないのか。法的規制との関係を考えると、まず長時間労働を削減するための前提となる労働時間の適正な把握がうまくいっていない。このため（弁護士である登壇者が）過労死事案を担当したときは、建物のセキュリティ記録やパソコンの使用履歴から実際に働いていた時間を把握している。</p>
<p>　36協定も長時間労働と大きく関わっている。現在は原則として月45時間を超える時間外労働を許可する協定については、労基署が指導を行っている。しかし、問題なのは特別延長時間の規定である。</p>
<p>　事例をあげると、労働者の過労自殺が労災認定された大手飲食店チェーンの36協定で、時間外労働の原則は1か月45時間、年間360時間であるが、特別延長時間は次のように規定されていた。</p>
<blockquote><p>「宴会シーズン及び人員の割合により特に業務が繁忙となった場合は、労働者の代表と協議の上、年間6か月を限度として、月間120時間、年間950時間まで延長することができる。」</p></blockquote>
<p>　これでは120時間もの時間外労働を6か月もさせたうえに、残りの6か月も38時間の時間外労働をさせることが可能になってしまう。そもそも1年の半分が特別延長できるのならば、それは「特別」ではなく「常態」ではないか。なお、この企業では従業員の過労自殺が認定された後、時間外労働の上限を75時間に変更したが、「年間6か月を限度として」の規定はそのままにしている。</p>
<p>　過労死が労災認定された別の大手飲食店チェーンでは、初任給が最低19万4500円、そのうち7万1300円が役割給で80時間の時間外労働手当とされていた。つまり、残業が80時間未満の場合は役割給が減給されてしまい、基本給の1時間当たり給与は713円にしかならない計算である。</p>
<p>　大綱では36協定の労働者への周知徹底や、過労死・過労自殺の労災認定基準、すなわち残業時間が月45時間を超えて長くなるほど業務と過労死・過労自殺との関連性が強まること。そして発症前の1か月間に100時間、もしくは発症前の2か月から6か月にわたって月80時間以上の残業が認められる場合、業務と過労死・過労自殺との関連が強いとされることの周知、啓発の実施が明記されている。</p>
<p>　それは月100時間を超えたり、80時間を超える時間外労働を2か月以上連続で行ったりすることを認める特別延長規定は問題である、ということも意味している。</p>
<p>　周知、啓発は事業者だけでなく、36協定を締結する相手方である労働組合や従業員の過半数代表者に対しても行い、大綱の趣旨を踏まえた協定や決議を行うよう努めるものとされている。</p>
<p><span  style="font-size: large;"><u><b>○裁量労働制を悪用した長時間労働事例も</b></u></span></p>
<p>　時間外労働規制の例外を悪用した長時間労働や未払い残業の事例も発生している。あるIT関連のブラック企業では、入社後3か月間の試用期間経過後、全員を一律に主任として、主任手当5000円を支払っている。「管理・監督者だから時間外労働手当は発生しない」という理屈だが、実際にはタイムカードで時間管理を行っていた。</p>
<p>　全員が主任という主張が認められないと、この企業は裁量労働協定を結びシステム開発部に属するプログラマー全員を裁量労働制対象者とした。しかし実態としては裁量労働者ではなく、プログラマーを朝9時に出社させ、夜10時まで毎日働かせていた。なお、この会社には労働組合がなく、裁判に訴えられたとき以外に一度も時間外手当を払ったことがない。</p>
<p>　このようなブラック企業も存在するが、裁量労働制の対象となる労働者や管理・監督者に対しても、事業者には健康確保の義務がある。大綱ではこの点についても啓発、指導を行っていくとしている。</p>
<p>　過労死の調査・研究については、労働安全衛生総合研究所に設置される過労死等調査研究センターで多種多様な観点から調査、分析を行っていく。加えて気管支喘息などのストレス関連疾患の発生状況についても調査を行っていく。</p>
<p>―――――――――――――――――</p>
<p>　大綱について玉木弁護士は「閣議決定されたという点で一歩前進」と評価していました。今後は実効性の確保が焦点になると思います。また、シンポジウムでの過労死遺族の体験談は痛切で、過労死、過労自殺はゼロにしなければならないと聴衆に訴えるものでした。</p>
<p>参考URL<br />　厚労省　<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000092244.html" target="_blank" rel="noopener">「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されました</a><br />　　　　　　　<a href="https://www.p-unique.co.jp/karoushiboushisympo/" target="_blank" rel="noopener">過労死等防止対策推進シンポジウム</a></p>

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		<title>【お知らせ】「儲かるメンタルヘルス対策」実践企業レポート</title>
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		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 16 Sep 2015 04:05:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メンタルヘルス]]></category>
		<category><![CDATA[告知・連絡]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　今週月曜日発売のプレジデント誌（2015年10月5日号）で「大企業が実践！　儲かるメンタルヘルス対策」という記事を執筆しました。 　メンタルヘルス不調者への対応だけでなく、不調者の発生を防止し、ひいては組織の活性化に貢...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><a href="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/b/6/b69e6c1f.jpg" title="P_20150915_084341" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async"  src="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/b/6/b69e6c1f-s.jpg" alt="P_20150915_084341" class="pict" height="360" hspace="5" border="0" width="640"></a><br />　今週月曜日発売のプレジデント誌（2015年10月5日号）で「<a href="http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=2349" target="_blank" rel="noopener">大企業が実践！　儲かるメンタルヘルス対策</a>」という記事を執筆しました。</p>
<p>　メンタルヘルス不調者への対応だけでなく、不調者の発生を防止し、ひいては組織の活性化に貢献するような「儲かるメンタルヘルス対策」に取り組んでいる企業をレポートしています。登場する企業はSCSKとKDDI。そして東京大学大学院精神保健学の川上憲人教授のお話をうかがっています。</p>
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<div  class="itemSubTxt">2015-09-14</div>
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			</item>
		<item>
		<title>メンタルヘルスに影響する「愛着」の型とは？</title>
		<link>https://shigotonews.com/archives/4861104.html</link>
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		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 22 Apr 2015 11:59:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メンタルヘルス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　職場における精神的疾患の問題は単にうつ病だけでなく双極性障害や発達障害等々、さまざまな精神的疾患が存在し、それぞれ対処の仕方が異なります。 　そうしたメンタルヘルスの多様な問題を理解するには、その人の土台にある愛着スタ...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><a  href="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/a/e/ae906323.jpg" title="DSC_0995" target="_blank"><img decoding="async"  src="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/a/e/ae906323-s.jpg" alt="DSC_0995" class="pict" border="0" height="360" hspace="5" width="640"></a><br />　職場における精神的疾患の問題は単にうつ病だけでなく双極性障害や発達障害等々、さまざまな精神的疾患が存在し、それぞれ対処の仕方が異なります。</p>
<p>　そうしたメンタルヘルスの多様な問題を理解するには、その人の土台にある愛着スタイルを理解することが大事だと『<a  href="http://www.amazon.co.jp/%E5%83%8D%E3%81%8F%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E5%8C%BB%E5%AD%A6-PHP%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B2%A1%E7%94%B0-%E5%B0%8A%E5%8F%B8/dp/4569811493%3FSubscriptionId%3DAKIAIM37F4M6SCT5W23Q%26tag%3Dhatarakikata-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4569811493" target="_blank">働く人のための精神医学 </a>』（岡田尊司　PHP新書）では述べられています。</p>
<blockquote><p>　大人になって、うつうや不安障害になるという場合にも、対人関係や結婚問題、子育てで躓くという場合にも、その人が幼いころから身につけた愛着スタイルや愛着の安定性が、知らずしらず影を落としていることが少なくない。目の前の問題だけを見ていたのでは、問題の全体像はつかめない。<br />　（岡田尊司『働く人のための精神医学』PHP新書　P26）</p></blockquote>
<p>　同じ著者の『<a  href="http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E7%9D%80%E9%9A%9C%E5%AE%B3-%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%9A%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%80%85-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B2%A1%E7%94%B0-%E5%B0%8A%E5%8F%B8/dp/4334036430%3FSubscriptionId%3DAKIAIM37F4M6SCT5W23Q%26tag%3Dhatarakikata-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4334036430" target="_blank">愛着障害</a>』もあわせて読んでいくと、それぞれの愛着スタイルを理解することが自分自身にしても他者にしても、それぞれの人間を理解するうえで有効な視点であるように思えます。いろいろな精神的疾患を愛着に還元しすぎるきらいがなきにしもあらずなので、そこは割り引いて読む必要があると思いますが。</p>
<p>　では、愛着スタイルとは何を指しているのか。『働く人のための精神医学』から以下に要約してみます。</p>
<p>
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  <br />
<span  style="font-size: large;"><b>◎「愛着」に注目が集まるようになった経緯</b></span></p>
<p>　最初に愛着の問題に焦点が当たるようになったのは、不幸な境遇に置かれた子供の問題としてでした。</p>
<p>　19世紀には施設に連れてこられた赤ん坊の9割が亡くなり、20世紀の中ごろでも孤児院で育つ子供の3分の1は亡くなっていて、大人になっても著しい発達や社会性の問題を抱えていました。ところが、刑務室の育児室で育った子供は死亡することなく、発達上の問題もあまりなかったそうです。</p>
<p>　そこから明らかになったのは、「子どもの成長には安定した愛着が養育者との間で築かれることが不可欠」であることでした。ここでいう愛着とは誰でも可愛がってくれればいいわけではなく、「特定の人との間で育まれる絆」を指します。</p>
<p>　そこで養育施設では特定の人が中心的に関わる仕組みやスキンシップを増やす等の対策が行われた結果、死亡率は大幅に改善されました。とはいえ、親から離されて育った子どもには発達や対人関係の問題が起きやすく、「愛着障害」と呼ばれるようになりました。</p>
<p>　ところが愛着障害は1980年代から一般家庭の親に育てられた子どもでも急増しはじめます。その子どもたちは虐待やネグレクト（育児放棄）を受けた子どもたちで、親自身が愛着障害を抱えていると子育てが困難になりやすい傾向もあります。</p>
<p>　さらに、母親に育てられている一般の子どもたちを調べてみると、一歳半の段階で愛着が安定していたのは3分の2にとどまり、3分の1は母親に対し不安定な愛着しか示さないことがわかりました。後者は愛着障害というほどではありませんが、成長するにつれ不安やうつなどの問題が認められやすいこともわかってきました。</p>
<p>　すなわち、愛着の問題は一般的な家庭で育った子どもでも普通に起こり得る問題であり、中年期に達しても約3分の1が不安定な愛着スタイルを引きずり、社会生活や対人関係、心身の健康に影響を及ぼすことが明らかになりました。</p>
<p>　メンタルヘルス問題は、まずその人の土台となる愛着スタイルの理解が重要で、そのタイプを知っておくことは、自分の生き方や物事の受け止め方を深いところで左右している無言の力を理解することになると岡田氏は指摘しています。</p>
<p><span  style="font-size: large;"><b>◎愛着スタイルの「型」</b></span></p>
<p>　愛着スタイルは大きく安定型と不安定型に分けられ、後者はさらに不安型と回避型に分けられます。過去に愛着が傷ついた体験を引きずる未解決型もあります。</p>
<p>(1)安定型愛着スタイル<br />　安心感や人に対する信頼感に恵まれており、対人関係が恒常性をもったものとして安定しやすく、ストレスにも強い。</p>
<p>(2)不安型愛着スタイル<br />　相手の人に見捨てられたり嫌われたりする不安が強く、相手の顔色をうかがい、それに気持ちや行動を左右されやすい。人に頼り過ぎてしまう反面、相手の至らない点に厳しく、頼っている人を責めやすい。気分や人生に対する態度もネガティブになりやすく、良いことよりも不満な点や心配な点にばかり目がいきがちである。</p>
<p>(3)回避型愛着スタイル<br />　対人関係をあまり求めず、仕事や自分の関心のある趣味などに生きがいを見出す。親密で距離の近い関係は苦手で、あまり楽しく感じられない。一人で好きなことをして過ごすほうが楽だと感じる。ストレスがいつの間にか体の症状として出やすく、心身症やパニック障害にもなりやすい。</p>
<p>(4)未解決型愛着スタイル<br />　まだ克服されていない愛着の傷が生々しく残っているタイプで、親のことを考えるだけで気持ちがむしゃくしゃしたり落ち込んでしまったりする。両親との別れや両親の不和、離婚、虐待、見捨てられた経験などが未解決な傷となっていることが多い。</p>
<p><span  style="font-size: large;"><b>◎安定した愛着は「安全基地」</b></span></p>
<p>　以上が『働く人のための精神医学』から愛着スタイルについての要約です。けっこう思い当たるところもあるのではないでしょうか。</p>
<p>　安定した愛着は「安全基地」のような働きをし、何らかの危機を迎えたときでも、頼れる安全基地があると安心感を得られます。ゆえに安定した愛着を持っている人は知的探求や対人関係にも積極的になるそうで、これは大人になっても同じです。</p>
<p>　留意しておきたいのは愛着の問題は母親との関係に焦点があたりがちですが、愛着関係は母親だけに限定されないということです。母親がいなくても安定して成長する子供もいるし、その逆もあります。環境だけでなく遺伝的な要因も関係します。</p>
<p>　また、愛着が形成されるとくに重要な時期は1歳半くらいまでですが、その後も周囲の影響を受けます。青年期になると愛着スタイルはほぼ固まったものになりますがそれで終わりではなく、配偶者との関係等の影響を受けて変化することもあります。</p>
<p>　自分自身の思考や行動の傾向をつかむうえでも、対人関係でも愛着スタイルの視点を持っておくと役立ちそうだというのが、二冊の本の読後感です。とくに対人関係で相手からちょっと理解に苦しむような行動をとられたとき、愛着スタイルの観点からその行動を考えてみると、より深く相手を理解できる場面があるかもしれません。</p>
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		<title>「新型うつ病」に対し職場はどう接したらよいか、専門家の話のまとめ</title>
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		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 29 Mar 2015 12:00:48 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メンタルヘルス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　昨日、大手町の日経ホールで「若年層のうつ病～いわゆる『新型うつ病』への対応」というシンポジウムが開催されました。主催はうつ病リワーク推進協議会。専門医や産業医が登壇したこのシンポジウムではそれぞれ興味深いテーマ、内容が...</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><a  href="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/2/5/252192c7.jpg" title="DSC_1027" target="_blank"><img decoding="async"  src="https://shigotonews.com/wp-content/uploads/imgs/2/5/252192c7-s.jpg" alt="DSC_1027" class="pict" border="0" height="360" hspace="5" width="640"></a><br />　昨日、大手町の日経ホールで「若年層のうつ病～いわゆる『新型うつ病』への対応」というシンポジウムが開催されました。主催はうつ病リワーク推進協議会。専門医や産業医が登壇したこのシンポジウムではそれぞれ興味深いテーマ、内容が展開されました。</p>
<p>　<a  href="http://www.nikkeibp.co.jp/mentalhealth/sympos/2015/0328/" target="_blank">メンタルヘルス・シンポジウム東京</a></p>
<p>　そのなかで帝京大学の張賢徳教授が「新型うつ病」についてわかりやすく整理されていたので、覚え書きとして聴講メモを以下にアップしておきます。言葉の再現性に欠けるかもしれませんがなにとぞご容赦を。</p>
<p>
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  <br />
<b><span  style="font-size: large;">◎「新型うつ病」二つの特徴</span></b></p>
<p>「新型うつ病」とは学術的に確立された病気ではなく、メディアが最近の若い人に増えているタイプとして取り上げているものである。ただし、そうした症状は精神医学の世界ではずっと以前から存在が指摘されている。</p>
<p>「新型うつ病」の特徴は二つある。一つは他罰性。「上司が悪い」「会社が悪い」と他者に責任を押し付ける傾向である。もう一つの特徴は選択性。選択性とは「会社に行くのは嫌だが遊びには行ける」ということで、この二つの特徴によって周囲からは嫌がられやすい。</p>
<p>　しかし、うつ病の診断基準を満たすなら当然治療すべきであるし、本人を責めたところで何の解決にもならない。それより若年層に新型うつ病が発生している理由がわかれば、腹立ちも収まるだろう。</p>
<p>　理由として大きいと思われるのは少子化で、昔と違って子供間の争いが少なくなり、親から強く怒られることもなくなった。比較的過保護に育てられた人が会社に入り、いきなり上司や先輩から厳しく怒られると、心理的なベクトルが他罰的な方向に向きやすい。</p>
<p>　選択性という特徴は、軽症のレベルで医者にかかることによって発生していると思われる。症状がもっと深刻になっていれば、遊びには行けなくなる。</p>
<p>　うつ病は生体エネルギーの低下が本質で、本人は苦しいと感じている。少なくとも初期は受容的に治療を始めるべきである。</p>
<p><b><span  style="font-size: large;"><br />◎「見て盗め」ではなく「関わりながら育てる」<br /></span></b><br />　日本の若者は自分に対する満足度が低い。その理由としては自己愛に着目している。若い世代は肥大化し過ぎた自己愛を持ち、等身大の自分より大きな自己愛を持っている。それが会社に入ると厳しい上司や先輩がおり、自己愛が傷つきやすい。</p>
<p>　一方で自己愛が小さいタイプもいる。わかりやすい例としては虐待を受けた子供で、自分を大切にする気持ちが小さく、うつになりやすい。実は若い人には両方をミックスしたタイプがいる。たとえば子供の頃、親に過保護に育てられていたものの、親の期待に応えないと無視され傷つけられた、というような人。こういう家庭が増えている。</p>
<p>　では、どのように向き合えばよいか。昔の体育会系的なやり方や「見て盗め」的なやり方は、もはや成立しない。上司や先輩の側が考え方を変えるべきだ。</p>
<p>　重要なのは「関わりながら育てる」という姿勢である。内省を促す。他者への配慮を促す。自信を付けさせる。積極性・自主性を涵養させる。</p>
<p>　若い人がけしからんと思うなら、個人のモデルを自分が提示せよ。社会のあり方を考えよ。私自身、自分がそうできるように努力している。</p>The post <a href="https://shigotonews.com/archives/4848452.html">「新型うつ病」に対し職場はどう接したらよいか、専門家の話のまとめ</a> first appeared on <a href="https://shigotonews.com">仕事にゅうす</a>.]]></content:encoded>
					
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