30代後半~40代の転職がこの10年で激増している件

 企業取材に行くと、重要なポジションに最近転職してきたという人が就いているケースをよく見かけるようになりました。年代でいうと30代後半から40代のあたり。つまり、一頃よく言われた「35歳転職限界説」はもはや過去の遺物となった感があります。

では、全体としてはどのくらい増えているのか。

 日本人材紹介事業協会(人材協)というホワイトカラーの職業紹介を行う業界団体は、2006年度上期から人材紹介大手三社の転職紹介実績を集計・公表しています。人材紹介大手三社とはインテリジェンス、JACリクルートメント、リクルートキャリア。

 人材協の「人材紹介大手3社 転職紹介実績の集計結果」によると、全体の転職紹介人数は2006年度上期の1万9031人から2016年度上期の2万6986人へと41.8%増加しています。そのなかで、年齢別の集計をグラフ化すると次のようになっています。

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 どの年代も10年前に比べ増加しています。ボリュームゾーンとしては「26~30歳」が最も大きく、次いで「31~35歳」。「36~40歳」「41歳以上」とは大きな差があります。

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 ただし、増加率で見てみると「41歳以上」の伸び率が162%と圧倒的で、「26~30歳」はおよそ10%に留まっています。「25歳以下」も105%伸びていますね。

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 年齢別の円グラフにしてみると、10年前に比べだいぶ36歳以上の割合が増えていることがわかります。少なくとも人材紹介業大手3社が対象としているホワイトカラーでは、10年前に比べて30代半ば以降の中高年の転職が増え、伸び率も全体と比べて高くなり、全体に占めるシェアは高くなっています。

 では、中高年の転職はなぜ増えているのか。もともと私が人材協のデータを知るきっかけとなったこちらの記事では、次のようにまとめています。

1.ベンチャーブームによる「重石」となれる中高年へのニーズの増加。
2.「使える」中高年プレーイングマネージャーの増加
3.年下上司への抵抗感の消失
(ダイヤモンドオンライン:丸山貴宏「35歳以上の転職市場がここへ来て活況な3つの理由」)

 さらに、以下は私の推測ですが、日本企業が採用ポジションに求める職務要件を明確にするようになるとともに、管理職、経営幹部クラスの採用に柔軟に対応できる体制が整ってきたのかもしれません。

 以前は中途採用したい人材が転職市場にいても、自社組織の給与体系に当てはめると現職より低い年収しかオファーできないため採用できない、といった話を聞くことがありましたが、そうした点が改善されているから中高年の転職も増えているのではないかと。

 中高年の転職者の増加は40歳を超えても「使える人材」であり続ければ活躍の場はいろいろあるということで、とてもポジティブな話だと思います。少子高齢化で若者が少なくなるトレンドを考えれば、今後も中高年の転職者は増加する方向でしょう。

 ちなみにこの10年間にわたる転職紹介人数全体の推移は下のグラフのようになっています。

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(出典:日本人材紹介事業協会 人材紹介大手3社 転職紹介実績の集計結果

 リーマンショックのあった2008年度後半から2009年度後半までドンと数字が落ち込んでいますが、それ以外の期間はすべて前年同期比が100%超えとなっています。

 

 

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