なぜ、あなたの文章は退屈でつまらないのか?

daremoosietekurenai

最近、いろいろ思うことがありたくさんブログやツイートを見ているが、その大半は退屈で、つまらない。身の回りとのコミュニケーションとしてのブログやツイートならそれでもかまわないが、何か発信しようという意図があるのにつまらないと「労力の無駄遣い乙」と思うし、読むのにムダな時間つかっちまったぜ、とこちらも損した気分になる。

文章の価値を大きく分ければ「ネタ(情報)」と、書き手が提示するものの見方や切り口といった「視点」の提供にあると思う。で、たいていのブログやツイートには両方とも欠けている。すでに言い尽くされたことを繰り返す、死んだ子の年を数えるような文章だったり、筆者が情報の海に溺れてしまい、つかむ藁にもならなそうな文章だったり。この辺はかなり自戒を込めて書いておりますが……(汗)

改めて面白い文章とは何か、どうすればそんな文章を書けるのかを考えようということで、何冊か本屋で見つくろった中の一冊が『誰も教えてくれない人を動かす文章術』(齋藤孝 講談社現代新書)。量産作家のイメージが強い著書なので正直、あまり期待はしていなかったのだが、「けっこう使える本」というのが私の評価である。

文章の価値にはネタと視点があると書いたが、基本的に雑誌や新聞の記事ではネタ勝負になり、自分の存在を比較的消すような書き方が求められる。(完全に消すことなんかできない。濃淡の問題)。主語に「私」を使わない文章といってもいいかもしれない。一方、コラムやエッセイ、オピニオン的な文章ではどれだけ面白い視点を提示できるかが勝負で、自ずと文章はその人の個性が前面に出るものとなる。

本書が焦点を当てているのは、主に後者の書き方である。
著者はこうアジる。

せめて「凡庸さは恥」だということを肝に銘じておきたい。(P184)


これが本書に通底するテーマで、思わず三重丸で囲みたい言葉である。著者はこの「凡庸さを打ち破る」というテーマに基づいて、文章の書き方指南が展開する。その詳細についてはぜひ本書を読んでほしいが、著者が提示する方法論は、よくある文章読本が指南する書き方のプロセスとはだいぶ異なる。それは私が情報を収集・整理してわかりやすく伝える点に重きをおいた本ばかりチョイスしてきた、ということかもしれないが、面白い文章に欠かせない一種の「飛躍」を生み出す方法を提示していると思う。

ただ、手放しで賞賛はできないなと思うのは、主張は同意できてもそれを補完するためにあげられた事例に萎える箇所がいくつかある点。

たとえば、タイトルにイメージのかけ離れたものを結びつけるとインパクトが生まれ人を惹きつけるという事例で提示されているのが「通勤地獄解消の決め手はあやとり感覚か」……。人を惹きつけますかね、これ。こういう違和感のある箇所がところどころにある。

そういう欠点はありつつも、凡庸さを乗り越えて人を動かすパワーを持つ文章を書くという本書のコンセプトは素晴らしく、その具体的な方法論も提示されている。そしてうまくアジられた私は、著者の思惑通りブログを書くという行動に動かされてもいる(笑)。

やはり、文章はせっかく読んでくれた読者に情報や新しい視点の提示といった「お土産」を持たせなければ意味がない。その「お土産」の一方の作り方について書かれているという点でお勧めできます。

誰も教えてくれない人を動かす文章術 (講談社現代新書)誰も教えてくれない人を動かす文章術 (講談社現代新書)
著者:齋藤 孝
販売元:講談社
(2010-12-17)
販売元:Amazon.co.jp
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