雑誌の仕事は12月になると「年末進行」というやつでけっこう忙しくなります。とくに昨年末は複数の仕事が被ったのと、いい加減自分が追いかけているテーマに本腰を入れる時間を年末に確保したいということで前倒しで仕事をしていました。
といっても毎日6時間は睡眠をとっていました。すっかりおっさんですからね、もう徹夜は無理、無理。なので、忙しいといってもこの程度はこなせるだろうという仕事量の範囲に収めていたつもりだったのですが、もうすぐクリスマスというタイミングで寝違えになってしまいました。
寝違えは私にとっては職業病のようなもので、年に1~2回、疲労がたまると起こります。で、今回もそのようなもので、数日我慢すれば治るだろうと思っていたら甘かった。だんだん症状が悪化していったのです。具体的には……
首の痛みがどんどん強くなる。
つばがどんどん出てくる。
つばや水、食べ物を飲み込むと強い痛みが首に走る。
熱が出る。
さらに、夜になるとこれらの症状によって首の痛みで寝っ転がる体制が取れず、眠れない。頑張って寝っ転がると首を動かせず、起き上がれなくなる。何を飲み込んでも痛いので水分や食事を取れない、という状況に陥りました。独身の一人暮らしですから、ヘルプしてくれる人もいない。
情けない限りですが、いままでにない苦痛とこのまま身動き取れなくなったらどうしようという不安で、早く夜が明けて病院の診察が始まらないかと祈るばかりでした。
やっと夜が明け、思い通りに動かない身体を引きずるようにして近くの整形外科へ行きレントゲンをとり、診察を受けたところ、所見は「化膿性脊椎炎の疑い」とのこと。要は脊椎にばい菌が入り、炎症を起こす病気でした(写真は後日とったMRI写真です)。
首にコルセットをはめて安静にし、抗生物質と痛み止めを飲む生活がはじまりました。幸い、発見が早く(診断に手間取ってしまう場合もけっこうあるそうです)、比較的順調に回復し、現在は普通に生活できるようになっています。服薬は継続中ですが。
この化膿性脊椎炎で思ったのは、「このまま身体が動かなくなるのかもしれない。今回は回復できるかもしれないけれど、この先、いつその時がきてもおかしくない」ということでした。つまり、いずれ肉体は滅び、死を迎えるのだと、誰にでも訪れる当たり前の運命を再確認したのでした。
そうであるならば、できるだけ自分の思い通りに生きていきたい。でも、いまそれができているかというと、かなり怪しい。もともと安定性は犠牲にしても自由度の高い生活をしたいと思い、13年前にフリーランサーになったのですが、気が付くと日銭稼ぎのために依頼された仕事を受けるばかりで、自分がやりたいと思うテーマや仕事が後回しになっていたなあと。
もちろん仕事を依頼されることはとてもありがたいのですが、優先順位が違っている。しかも、それで身体を壊してしまったのは阿呆としかいいようがありません。
肉体が滅びる前に、もっとやりたいことを優先してやろう。もっとシンプルにいこう。そんなことをつらつら考えた2014年の三が日でした。
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