先日「平成23年社会生活基本調査」に掲載されている、小さな子供を持つ夫婦が仕事や家事に使っている時間の国際比較データを取り上げました。(「日本の男性は海外と比べ、どのくらい家事をしないのか?」)
同調査には小さな子どもを育てながら仕事をしている有業者夫婦の国際比較データも掲載されており、こちらも示唆に富む内容なので紹介します。
上の図に挙げた6か国のうち、家事と家族のケアにもっとも時間を使っているのは日本の妻で5時間31分。次いでスウェーデンの5時間21分、ドイツの5時間14分と続きます。日本とこれら2国とはそれほど大きな差はありません。
しかし仕事と仕事中の移動に使う時間を比べると、ドイツとスウェーデンの妻が2時間台なのに対し、日本は3時間37分と大きく上回っています。ドイツとスウェーデンの女性は仕事の時間を減らして家事に振り向けているのに対し、日本の女性は仕事も家事も頑張らなければいけないように見えます。
また、フランスは仕事に使う時間が日本と同水準ですが、家事に使う時間は4時間48分と日本より40分強短くなっています。同じくらい働いていても、フランスのほうが家事の負担は小さい。
一方、小さな子どもを持って働く夫の比較ではやはりというべきか、日本の夫が最も仕事の時間が長く、家事の時間が短いです。それも、かなり。
前回も注意書きしましたが、この比較データは調査年度の違いや国によって定義の違いがあるのであくまで参考程度というものですが、改めて日本で小さな子どもを持って働く女性の負担の大きさと、家事に協力したい気持ちがあったとしても仕事の時間が長くてできない夫の状況が見てとれます。
さらに家事と家族のケアに使う時間を夫婦で合算してみると、日本がもっとも少ない。これは家族生活のクオリティや満足感にもつながってきそうな要因だと思います。
(出典:平成23年社会生活基本調査 P79)
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