昨日、ワタミの第3四半期決算が発表され、業績予想の下方修正もアナウンスされました。以前、第2四半期決算で財務内容について少し分析したので(「ワタミの赤字決算はどのくらい深刻か?」)、ここでは簡単にまとめなど。
ワタミ第3四半期決算 (単位:百万円) | ||
前第3四半期 | 当第3四半期 | |
売上高 | 123,147 | 117,980 |
売上原価 | 57,843 | 58,242 |
売上総利益 | 65,304 | 59,738 |
販管費及び一般管理費 | 61,218 | 60,063 |
営業利益又は営業損失 | 4,085 | -325 |
売上高は前年同期比で約50億円減少する一方、売上原価は増加し、販管費等の削減も12億円程度にとどまり、営業損失は3億円。また、前期末に比べ現預金を増やしたものの短期借入金が約130億円増加。自己資本比率は12.4%まで下がりました。
かなり深刻なのが、客離れです。
データ出典:ワタミ 「当社の近況について」(PDF)
上のグラフは今年度の国内外食店既存店売上高、客数、客単価の前年対比で、客単価は概ね維持したものの客数の減少がとまらず、既存店売上高の落ち込みが続いています。第3四半期全体の既存店売上高前年比は93.4%、既存店客数前年比92.9%、既存店客単価前年比は100.6%です。
会社からは客単価アップの施策が客数減を招いたとの説明がありましたが、理由はそれだけではないと思われます。外食とは別の事業である介護や宅食でも客離れが顕著だからです。
決算短信によれば介護事業の既存施設入居率は79.9%に留まり、宅食は営業拠点が12か所増えたのに一日当たり宅配数は24万6000食で前年より2万5000食減少しています。
日本マクドナルドの極端な売上減もそうですが、いまのワタミは消費者に嫌われてしまうと会社はこうなる、という極端なケースに陥っています。
「嫌ワタミ」とでもいうべき消費者の感情を解消できない限り、トップの交代もどんな施策もあまり効果はないでしょう。
コメントを残す