最近、よく注目のお店として名前を見聞きする会社に業務スーパーがあります。「業務用スーパー」ではなく「業務スーパー」という屋号のお店で、飲食のプロだけでなく誰でも利用できます。運営している会社は神戸物産。
業務スーパーの注目ポイントとして指摘されているのは圧倒的な価格訴求力とボリューム、そして他のスーパーとは一線を画する独特の品揃え。過当競争でイオンなど不調な小売業が多い中、先日発表された直近の業績は円高や消費税アップを乗り越え好調でした。
たまに水を買うのに利用してはいたのですが詳しく見たことはなかったので、企業研究の一環として業務スーパーの食材だけでカレーを作ってみることにしました。
カレーの具材といえば、まずは肉。
業務スーパーは冷凍品が販売の中心ということで、冷凍肉のコーナーをのぞいてみると、いきなり「牛赤身スジ肉」1㎏798円というインパクトのある商品が目に飛び込んできました。まずはこいつをカゴのなかへ。
次に野菜ですが、カレーにはタマネギが欠かせません。で、冷凍野菜のコーナーを見ると刻みタマネギはもちろんオニオンソテーまで! 炒める手間が省けます。500gで198円。
具材用の野菜を探してみると「ベルギー産」の冷凍野菜がいくつか。ベルギー産の食品ってチョコ以外でははじめて見た気がします。「6種類の野菜ミックス」は大ぶりのトマトやズッキーニ等々が入っていて、野菜ゴロゴロなカレーをつくるのによさそうです。お値段も500gで95円というお得感。
最後にカレールーですが、自社製の「業務カレー」をチョイスしました。こちらは10皿分で118円。ちなみに他のナショナルブランドのカレールーは同じ値段でしたが、8皿分のボリュームでした。
早速、自宅でカレーづくりに取りかかります。今回は5皿分つくります。
「牛赤身スジ肉」を解凍のため封を開けてみると、中身は牛スジでイメージするようなコラーゲンたっぷりの部位というより、脂の多い切落し部分という感じです。目分量で3分の1ほど使用。
冷凍オニオンソテーは3分の1、野菜ミックスは半分ほど鍋にぶち込んで解凍がてら炒め、適当なところで肉と一緒に水で煮込み、カレールーを投入して出来上がり。
完成品はこちら。味はいたって普通のカレーで、まあまあ美味しい。
そして気になるお値段ですが、計算してみると次のようになりました。
牛赤身スジ肉 798円×1/3=266円
オニオンソテー 198円×1/3=66円
6種類の野菜ミックス 95円×1/2=47.5円
業務カレー 118円×1/2=59円
5皿分材料費合計(税別) 438.5円
1皿当たりにすると88円です。お米代は入っていませんが、それにしても安い!
この安さが実現できる理由について神戸物産のウエブサイトを見ると、自社工場を持ち製販一体の効率的な運営を行っていること、店舗のFC展開でスケールメリットを確保しつつ世界中から仕入れを行っていることなどが挙げられています。
では、どうすれば、生き残れるかと考えた時に、当社が出来る事は、
大手スーパーやコンビニチェーンにはない異なった規格の商品を取り扱い、
異なった仕入れルートを確立する事による、差別化した販売方法しかないと考えました。
(出典:業務スーパーウェブサイト なぜ今業務スーパーなのか)
この戦略がエブリデイ・ロープライスと大手スーパーとは異なる独特な品ぞろえにつながっているわけです。あまり洗練されたスタイルではないけれど、一種の流通イノベーションのあり方と言えます。
この価格帯にはあまり用がない人でも、見ているだけで面白いので一度、足を運んでみることをお勧めします。
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