アシックスとミズノ、どうして差がついたのか……

onitsuka omotesando

 プレジデント誌で執筆を担当したアシックス、尾山基社長インタビューがプレジデントオンラインに転載されていました。

プレジデントオンライン アシックス「世界3位になっても安心も満足もしない」

 絶好調企業とあって非常に面白いインタビューでした。NewsPicksでも好評のようなので、ちょっと補足など。


 まずアシックスは上のグラフの通り、この10期で売上高、営業利益を約2倍に伸ばしています(グラフの単位はすべて百万円、2014年は決算期変更で3月期と12月期になっています)。

 しかしスポーツ業界の人や株式投資をしている人以外は、この急成長にあまり気付いていないかもしれません。なぜかというと、アシックスが成長を遂げたのは海外市場においてであって、日本では成長していないからです。2006年と2014年のエリア別売上高割合の円グラフを見てください。

 2006年は日本地域の売上が半分弱を占めていたのに対し、2014年は4分の1以下に割合が減っています。

 2014年の日本地域の売上高は2006年と比べ微減に留まっていますが、米州、欧州が大きく成長しました。加えて「その他地域」で一括りにされていたオセアニア/東南・南アジア地域や東アジア地域が成長したため、2006年と2014年の売上高に占める地域別売上高の割合は大きく変化したわけです。

 この間、アシックスと日本の総合スポーツ用品メーカー2強とされてきたミズノとの業績は大きく開きました。日本におけるアシックスの売上は微減だというのに、です。(直近期:ミズノは2015年3月期、アシックスは2014年12月期)

 グローバルで勝負することのチャンス、出遅れることのリスクが両社の業績差に反映されています。

足と靴の科学 (おもしろサイエンス)
(株)アシックス スポーツ工学研究所
日刊工業新聞社
2013-06-25


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