東日本大震災から今日で5年が経過しました。この間、被害の大きかった地域はどのように変化しているのか。福島県、宮城県、岩手県の人口の変化をチェックしてみたところ、次の表のようになっていました。
各県人口(各年10月1日) | ||||
福島 | 宮城 | 岩手 | 総人口 | |
2010年(人) | 2,029,064 | 2,348,165 | 1,330,147 | 128,057,352 |
2015年(人) | 1,913,606 | 2,324,683 | 1,279,814 | 126,875,654 |
増減(人) | -115,458 | -23,482 | -50,333 | -1,181,698 |
増加率 | -5.69% | -1.00% | -3.78% | -0.92% |
(※平成27年総人口のみ9月1日)
仙台のある宮城県の人口増加率は日本の総人口と同様の水準でしたが、岩手県はマイナス3.78%、福島県はマイナス5.69%。やはり原発事故の影響がいまだに残る福島県がもっとも厳しい人口減少に見舞われています。
もともと福島県の人口減少は1998年から始まっていて、2005年以降は毎年1万人以上が減少し、東日本大震災の発生した2011年は約4万人減少。減少トレンドに震災が追い打ちをかけた形です。
さらに男女別で見てみると、男性の減少数が3万9715人なのに対し、女性は7万5743人で圧倒的に女性のほうが減少しています。
しかも、福島県は全体としては女性のほうが男性より人口が多いのですが、出産を行う年齢層では女性のほうが少なくなっています。女性人口が男性人口を上回るのは70歳以上からです。
若い女性が少ないのは県外からの転入数より県外への転出数が多いためと思われますが、男性と老人ばかりになったらますます人口の増加は望めないし、社会もいびつな構造になりかねません。
福島県は何も対策を講じなかった場合、2040年には現在より44万人減少して147万人になると推計しています。人口減少が続けば必然的に各産業での人手不足と地域全体での所得減少、消費市場の縮小が進み、衰退の一途をたどるしかありません。
この悪夢のシナリオが実現しないよう福島県は「ふくしま創生総合戦略」を策定し、2040年に160万人の人口目標を掲げていますが、果たして成果を出せるか。震災から5年経過した現在も苦闘が続いているというか、震災の前から抱えていた問題が増幅されてのしかかっているようです。
(参考URL)
福島県 人口データ
宮城県 人口データ
岩手県 人口データ
女性が減ってるというより全体的に男女共に減っているのです。
男性の減少率が低いのは全国から生活保護者、ニート等が除染作業員として
集められ福島へ移住してる為です。