なぜ、GREEはタダのサービスで大儲けできるのか?

携帯電話向けにソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を提供し、ゲームや占いを楽しめるGREEの業績が好調です。今週初めに業績予想の上方修正が発表され、営業利益は140億円から180億円、当期利益は74億円から105億円に増額しました。このご時世になんという景気のよさ! 時期を同じくして鶴のマークでお馴染みの航空会社が墜落したのとは対照的です。

GREEといえば一時はmixiに大きく差をつけられ、正直パッとしない印象でした。実際、業績を振り返ってみると、3年前の2007年は売上高が3億2300万円、1億300万円の経常赤字に過ぎません。ところが昨年6月の決算では139億4500万円の売上、83億2800万円の経常黒字という超・優良企業に大化けしたのです!

いったい何があったのか? そのきっかけはKDDIから出資を受けて、携帯電話向けのサービスに注力したことです。アバターやゲームなどのサービスを取り揃え、携帯ユーザーを取り込み2007年3月に会員数100万人を突破。その後、ユーザー数はうなぎ登りで増加し、2009年4月には1000万人を突破したのでした。

ところで、GREEのテレビ広告では「無料」が強調されているのに、なぜこんなに儲かっているのでしょうか。同社の売上高構成を見ると、次のようになっています。

広告メディア収入  34億6800万円(前年比172%増)
有料課金収入    104億7600万円(前年比528%増)

広告については説明の必要はないでしょう。有料課金収入とは、ユーザーがゲームで有利になるアイテムをオプション購入したり、容量の大きいプレミアムサービスを利用した時などに発生する収入です。つまり、基本サービスは無料で利用できるのですが、もっと便利なサービスを利用したければお金を払ってね、という二段構えになっているわけです。

このように基本サービスは無料で、追加の有料サービスが用意されているビジネスモデルは「フリーミアム」と呼ばれます。要はタダのサービスでお客さんを取り込んで、その一部を有料サービスに誘導するビジネスです。マクドナルドのコーヒー無料サービスと同じ形ですが、ネット上のサービスの場合、ユーザーが増えてもコストはそれほど増えません。モノであるコーヒーは一杯追加すればコストが一杯分増えるのに対し、 SNSはユーザーが一人増えたところでコストはほとんど変わりません。GREEの売上に対する利益率が高いのはそのためです。

まとめると、ユーザーが増えてもそれほどコストは増えないネットの特性を活かしてGREEは無料サービスの提供で利用者を増やし、そこに広告収入と有料の追加サービスを乗せることによって高い収益性を達成しているわけです。逆に、他のサービスに利用者を取られたり、ゲーム等のサービスが飽きられて有料ユーザーの割合が減少すると、GREEの業績は悪くなります。そこがわかれば、同様のサービスを提供しているDeNAを提訴した理由も見えてくるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。