過労うつ病裁判における東芝の判断の不可解さ

東芝過労うつ病裁判の控訴審判決が23日にありました。

この裁判は会社の過重労働が原因でうつ病になった社員が、休職期間終了を理由に解雇されたのを不当として解雇無効の確認と損害賠償を求めたものです。

判決では一審に続き、うつ病の原因は過重な業務にあるとして会社側の過失を認め、解雇を無効としました。ただし、損害賠償については減額を認めており(金額そのものは増額)、原告側には一部不満の残る内容となっています。

この裁判を眺めていて本当に不可思議なのは、東芝側の対応です。この裁判の原告は別に労災認定を求めて行政訴訟を起こし、控訴審の最中である2009年5月に勝訴し判決が確定しています。つまり、控訴審の判決が出る前に、国家により原告のうつ病は業務に起因すると認定されたわけです。

業務に起因する疾病による休職期間に労働者を解雇することはできません。従って東芝側の敗訴は濃厚で、実際、控訴審では和解交渉も行われていました。しかし結局、東芝側が過失を認めなかったため今回の判決に至ったわけです。

なお原告側のウェブによると、東芝が自社の過失を認めないという判断は役員会において下されたようです。
このページの2月25日以降参照。

言うまでもなく、うつ病を患い働けなくなった人にとって裁判は物心両面で大変な負担です。それにも関わらず裁判を継続した東芝の判断は、社員に重い負担を強いました。

一方、東芝は経営理念で「人を大切にします」と謳い、「従来から従業員の安全と健康の確保を経営の最重要課題の一つに掲げ」ていると主張しています。

このような立派な理念を掲げていながら、なぜ判決が出る前に和解しなかったのか。そもそも、なぜうつ病の原因となった過重労働の職場が放置されていたのか。東芝の一連の判断と対応は、本当に不思議で仕方がありません。

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