弱者に優しいアベノミクス、優しくないリベラルメディア

 衆議院選挙は与党の勝利、野党の敗北となりました。この選挙戦の間、気になったのは左派とかリベラルに分類されるメディアによる、アベノミクス批判の水準の低さでした。たとえば、東京新聞が「投票の前にアベノミクスをもう一度よく見極めましょう」と呼びかけていたこの記事です。

 この記事では労働者数は増えたものの正社員が減り、非正規が増えていると、アベノミクスの雇用に関する成果を否定的なニュアンスで伝えています。 しかし労働者の増加、すなわち職の増加は当然、ポジティブに評価されるべきです。


 同記事の図表にはなぜか失業者の推移が掲載されていませんが、下記の表のように279万人から234万人へ減少しています。世の中でとくに困っている人たちは誰かと考えれば、失業者の減少は高く評価されるべき結果でしょう。(データの出所は「労働力調査」)

 正社員の減少と非正規雇用の増加も、現在の経営環境を考えれば、企業が先に非正規雇用から増やしていくのは当然の動きです。

 非正規雇用の増加に否定的なニュアンスも、問題にすべきは非正規雇用全体ではなく、正規雇用を望んでいながら非正規雇用にしか就けていない人たちがいることです。その割合はどのくらいかというと、元記事中に記載があります。

 非正規労働者に、非正規の仕事に就いている理由を尋ねた総務省の調査では、男性の25.8%、女性の13.1%が「正規の仕事がないから」と回答した。
 (東京新聞 <安倍政治2年 くらしこう変わった> (5)雇用

 これを見ると「正規の仕事がないから」の人は明らかに少数派ですが、なぜか記事ではネガティブさが強調されています。付け加えると、このデータの出所である「労働力調査2014年7~9月期平均(速報)」をみると、「正規の仕事がないから」と答えている男性は前年同期に比べてマイナス19万人、女性はプラス1万人で、男女合わせて去年より18万人減少していることに、この記事は触れていません。

 もちろん希望に反して非正規雇用で働いている人たちが正規雇用に転換していけるようにすることは重要ですが、それも景気の先行きに企業が明るい見通しを持てるようになり、正規雇用の採用を活発にさせてこそ実現できます。この点でも、アベノミクスの方向性は妥当であると考えられます。

 ところが私の見た範囲では、リベラル系メディアでは批判のための批判に終始している記事が目につきました。まともに論評する能力が欠けているのか、意図的にそうしているのかはわかりませんが、いずれにしても水準が低い。

 職を増やしたという点で、アベノミクスは弱者に優しい政策だと見ることができます。それは本来、生活者の味方を掲げて政権についた民主党がやらなければいけない政策でした。

 安倍首相は一度、政権を退任したあとにデフレ脱却のための経済政策を学び、実行したわけですが、リベラル系メディアの雇用や経済に関する議論の稚拙さは、もしかすると民主党をはじめとするリベラル勢力退潮の大きな要因になっているのかもしれません。

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