大金持ちって凡人と何が違うんでしょうね?
本書は世界一の投資家としてお馴染み、ウォーレン・バフェットが発した125の警句に著者が解説を加えたものです。なお著者のメアリーはウォーレンの息子の元嫁、デビッドはウォーレンを師と仰ぐ「バフェットロジスト」と自称する小集団の一人。元嫁なのにバフェットの姓を名乗っているのはなぜかしらん、という疑問はさておき、本書は2008年1月に第1刷が発刊され、私の手元にある本は2010年6月発行の第10刷となっています。
よく知られているように、バフェットの投資はシンプルです。本書では以下のように記されています。
われわれの手法は単純明快だ。
とびきりの根源的経済性をそなえ、
正直かつ有能な経営陣に率いられたビジネスを、
理にかなった価格で買収する
わたしが目指すのはこれだけである
本書はこんな感じでウォーレン・バフェットの考え方が次々に示されていきます。ただし、「根源的経済性」や「理にかなった価格」をどうやって算出するかといった、具体的な方法論までは踏み込みません。あくまでウォーレンの考え方の提示。
ウォーレンの考え方には奇をてらったところがありません。いい会社を適正な価格で買う。周囲の動きに惑わされて右往左往せず、自身の方針を貫徹する。まあ、それだけといえばそれだけです。しかし、実行するのは簡単なようで非常に難しい。そこでお金や投資の話ばかりでなく、人生訓めいた話も多々混ざってくることになります。たとえば、こんな具合。
小事に規律正しく臨めない者は、往々にして、
大事にも規律正しく臨めない
故松下幸之助も膨大な人生訓を遺しましたが、図抜けた成功を収める人物は生き方の重要性を知り、徹底してきた人たちなのかもしれませぬ。世界1,2位を争うお金持ちはどんな考え方をしているのか。それを手軽に知ることができる本だと思います。
ただし、投資家がITや自動車のように「成長に大量の資本を必要とするビジネス」や、変化が激しくて予測不可能な業界を避けるバフェットみたいなタイプばかりになり、新奇性のあるビジネスにお金が回らなくなったら、それはそれでつまらん世界になるんでしょうね。なので、凄さは認識しつつも実はバフェット△とはあまり思わなかったりして。
史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵著者:メアリー バフェット
販売元:徳間書店
発売日:2008-01
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