業績予想修正 通期 (単位:百万円) | |||
発表日 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 |
5月14日 | 537,906 | 15,908 | 4,180 |
8月6日 | 525,068 | 8,055 | -1,370 |
11月10日 | 509,291 | -1,774 | -7,534 |
すき家を運営するゼンショーHDが業績予想の下方修正を発表しました。今期は8月に続く2回目の下方修正で、5月には42億円の当期純利益を見込んでいたのに対し、8月は14億円の赤字、そして今回は75億円の赤字と大幅に業績予想を引き下げています。
営業利益ベースでは前回予想と比べ98億円の引き下げで、その内訳はすき家の人手不足に起因するものが55億円、既存店売上高の見通しを引き下げたことによるものが24億円、食材価格の高騰によるものが18億円としています。
(日経新聞:ゼンショーホールディングスの金子武美取締役「人材確保し深夜営業を再開する」 有料会員限定)
すき家では深夜、複数人体制をとれない店舗の深夜営業を休止しました。批判を浴びていたいわゆるワンオペの廃止です。その結果どうなったかが次のグラフです。
「鍋の乱」で落ち込んでいた全店売上高は徐々に回復していたものの、深夜のワンオペを10月から廃止した途端、前年の92.5%に落ち込みました。それが今回の業績下方修正に大きく影響しているのでしょう。結局、まともに運営したら儲からない業態だった。
上記の日経新聞記事で金子取締役は次のように述べています。
「人手不足で午後10時から翌午前9時まで営業を停止する店舗数は15年3月末に160店舗になると見込んでいた。だが、思ったよりアルバイト社員が集まってない。修正後は410店舗とした」
すき家に限らず人手不足は外食産業で深刻になっています。今回の発表でちょっと不思議なのは今後も人手の確保が困難なのが明らかで、深夜営業ができなけれ
ば既存店売上高も上がらず、円安による食材価格の高騰も続くのが確実なのに、まだ店舗のリストラに踏み込んでいないことです。「外食日本一」の看板を下ろ
したくないということでしょうか。
ちなみにワタミは今期は当初から人手不足解消のため60店の店舗閉鎖を計画し、その後さらに増やして現在は100店を閉鎖すると発表しています。
ゼンショーは経営判断が後手後手にまわっているように見えます。かなりヤバい、という感じです。
コメントを残す