今でも夢に日付を入れたり、夢がかなう手帳を使っている人ってどれくらいいるんでしょうね?
いや、そういう人たちを揶揄したいわけじゃありません。あまり言いたくないけど、自分でも夢をでっちあげて日付入れてみたことあるし(汗)。でも、全然はまらなかったなあ。
「俺はこの仕事でナンバーワンになるぜ!」と熱いパッション持っている人には夢に日付方式が合っているのかもしれません。でも、俺はそこまでパッションないし。仕事選びやキャリア開発のアドバイスとして「好きなことを仕事にしろ」的なことをよく言われます。夢をかなえるゾウさんもそう言ってました。でもね、それなりに今の仕事が好きで、他人から評価されるような成果を残したいと思いながら働いているけど、「俺にはこれしかない!」的な対象ではないです。そもそも心の底から好きな対象なんて、人生の半分折り返した今でもよくわかりません。異性は除く。
「芯のない奴」と言われそうですが、実は世間にはこういう人のほうが多いんじゃないかと周囲を見ていると思います。で、ロックな人みたいに身体の芯からほとばしるパッションのない、おいらみたいな人間はどういう心持ちで仕事をしていけばよいのか。ずっと、かなり長い間考えてきましたが最近、心動かされる発言を見付けました。
「VOGUE NIPPON」を発行しているコンデナスト・パブリケーションズ・ジャパンの斉藤和弘社長という人がいます。部数と広告収入が低迷していた「BRUTUS」を、編集長に就任するや否やあっという間に立て直し「天才編集者」と称賛された出版業界の有名人です。この斉藤社長のキャリアヒストリーに関するインタビューが日経BPにあり、その最後のほうで斉藤さんはこう語っていました。
<私が編集者をやっている最大の理由は「自分がタマネギだ」と思っているからです。何かものすごいパッション、これをつくらなきゃいけないとかが私の中にあったら、こんな職業を選んでないです。10代の後半、延々、「自分の芯は何だ」と悩んだんです。その結果、「芯がないというふうにしてしまいましょう。芯がないならば、皮はむいてはいけないし、皮の中で生きていればいいんだ」と思ったんです>
(ここの後半部分)
天才編集者と呼ばれるほどの人がこう言っていることにぼくは正直驚き、そして勇気づけられました。自分の芯がないタマネギにはタマネギなりの生き方があって、それでも優れた仕事ができるのだと。もともと窓際編集者だった斉藤さんが天才編集者と呼ばれるようになるストーリーも面白いです。ちょっと長い記事だけど、ぜひ読んでみてください。
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