日本電産・永守社長が予言する 日本型労働スタイルの変化

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プレジデント最新号(2010.2.15号)に掲載されていた、日本電産の永守重信社長インタビューがすごぶる面白いっす。

永守社長は今起こりつつある電気自動車普及の驚くべき速さを例にとり、<振れ幅の大きさにおいて、スピードの速さにおいて、空前の大変化が世界中を覆っている>と現状認識を示します。そのうえで今後、大変化を追い風にするのは<「省エネ」「エコ」「軽薄短小」「ハーフプライス」>の四つの要素であり、日本電産にとっては四つすべてのテーマがフォローの風になり、<今後はモーターが産業のコメと呼ばれるようになる>と自社の輝かしい未来を描き出します。なるほど、こうやってカリスマ経営者は雄弁にビジョンを語り、周囲を鼓舞するのだなあ。

「しごと」的観点からは、もう一つ別の読みどころがあります。それは、今年4月に施行される改正労働基準法を受けての、今後の日本国内における働き方の変化について述べた部分です。

永守社長といえばちょっと前、「休みたければ辞めればいい」と言ったとか言わなかったとかで批判を受けた人物。会社側はそんなこと言っていないとしていましたが、ハードワーク礼賛をしてきたことは間違いありません。こんなことを著書で書くくらいだし。

我社の営業方針は、「納期はライバルの半分の時間で、訪問回数はライバルの倍」をモットーにしている>(ただし、この発言の出典は1984年に出版された『奇蹟の人材育成法』)

しかし、一方で永守社長は自身の体験から貧困に対する怒りを持ち、会社の理念として雇用の創出を掲げて、実際に世界で13万人を生み出してきた人物でもあります。ほんの数名で創業した会社がこれだけのことを成し遂げたのは、称賛すべきことであり、そこを見ないで批判だけしている人は阿呆にしかみえません。

ただ、後発の零細企業が13万人もの雇用を生み出す手段としてハードワークが必要だったわけですが、ハードワークは必ずしも個人を幸福にしないし、長年それに耐えられる人間なんて限られてるし、会社に個人が張り付けられた結果、地域社会のほうがスカスカになったという面もあるわけです。このジレンマをどうすればよいのか。

で、永守社長は規制強化された労基法改正を受け、次のように語っています。

<長時間労働に依存した日本型の労働スタイルは決定的に変わるだろう。生産性を高めて、時間内に仕事を終わらせるという欧米型のスタイルに近づけなくてはならない>

ただし、単純に欧米型を真似すればいいというわけではない、とも。

<東南アジア諸国がなぜ中国のように日本の脅威にならなかったのかといえば、ひとつには欧米流のワークスタイルを少々早めに取り入れてしまったからだろう。
このことを、われわれ自身の教訓とするべきだと思うのである。>

ハードワーク礼賛を捨てたわけではないのでしょうが、永守社長のような経営者がこういうことを言い始めたことは、もうちょっと注目されるべきでしょう。

1 個のコメント

  • 今日の報道ステーシィションで拝見、古館さんとの対話に引き込まれました。日本の今こんなに元気な企業、社長のお目にかかり久々にに感動しました。政治家は足の引っ張り合いばかりで日本の将来をどうするか不安をつのるばかりです。政治家を前に講演でもお願いしたい気持ちです。大手の企業経営者にも言えますが!!
    平和ボケした日本が今真剣に考えないと世界に取り残されるのではないかと心配です。もっともっと表舞台にでて情報発信して下さい。

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