なんちゅうもんを見せてくれたんや…これに比べたらサ○トリーさんのはカスや、というCM

ちょっと前に話題になったサントリーの「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」のTVCM、私にはその良さがさっぱり理解できなかった。むしろあざとさや押しつけがましさが先に立って辟易したのが正直なところ。出演された方々は本気のチャリティ活動なのだとは思うが、ビートたけしが『「被災地に笑いを」なんて戯れ言だ』と語った言葉のほうに私はリアリティを感じる。

このサントリーのCMとは対照的なつくりでとても面白く、かつ好ましく感じたのがJR九州の「九州新幹線全線開業記念CM」。私は九州出身の方のmixi日記で知ったのだが、先日「スッキリ」で放映されてバズったらしい。未見の方はまず見て欲しい。

コメント欄には続々と書き込まれる「泣いた!」「感動した!」といった感想からは、このCMが視聴者の心に刺さったことが伝わってくる。
JR九州のウェブページに、CM企画の経緯が簡単に説明されている。

みなさん全員がずっと待ち望んでいた新幹線だから、
その全線開業は、九州のみなさんとお祝いしたい。

きれいごとではなく、後付の理屈とかでもなく、
私たちは、本気でそう考えて、この企画をはじめました。

ならば広告も、ただ全線開業を伝えるだけじゃなく、
九州のみんなでその喜びをわかちあえるものにしたい。
主役も新幹線ではなく、
九州のみなさん一人ひとりのほうがふさわしいのではないか。
九州縦断イベントとは。あるスタッフが語る真実。


そして「祝!九州縦断ウェーブ」と銘打たれた企画が立案された。九州新幹線12駅の各会場を中心に、走行する新幹線に向かってウェーブや手を振るなどさまざまなパフォーマンスをしてもらい、その様子を撮影するというのがその内容。事前にテレビCMやウェブで告知活動が行われ、2月20日に撮影のためにラッピングした特別列車が走った。

こうしてできあがったのが上記のCMで、当日沿線に集まり撮影に参加した人数は1万人とも1万5000人ともいわれる。鹿児島から博多まで、老若男女が連なって延々と喜びを弾けさせるのだからものすごい。九州の人にとって新幹線開通は特別なイベントだったのだなと感じさせられる。

この手のCMでは新幹線や観光地の風景が主役になることが多い。ところが本CMの主役に据えられたのは、JR九州のウェブで説明されているように沿線に集まったその土地土地の住人たち。そこにこの企画が成功した要因があるのだと思う。要するに企業が「こんなことをしています」という情報の伝達や欲望の喚起をするのでなく、「私たちはあなたたちと共にある」という姿勢をイベントや映像を通して示し、かつ「共にある人たち」が本当に喜びを分かちあっているから見た人は感情を揺さぶられるのだろう。

この「あなたたちと共にある」という姿勢と行動と表現の有無は、震災で大きなダメージを受け、一方でソーシャルメディアが拡大していくという時代状況のなかで、企業にとってけっこう重要なポイントになるんじゃないかと感じた次第。関東や関西でも放映すればいいのになあ。

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