すき家の営業利益が急減している理由

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「鍋の乱」ですき家の連鎖的閉店が発生してからもうすぐ一年。昨日「すき家」を運営するゼンショーHDの第三四半期決算が発表されました。

 この間にすき家では第三者委員会の提言を受けて労働環境の改善に取り組み始め、深夜の一人勤務、いわゆる「ワンオペ」の解消を表明しました。2014年末で1983店のうち903店が深夜営業を休業する状態でしたが、この6月末をめどに全店で再開する予定としています。
 (参考:朝日新聞デジタル すき家の深夜営業、全店で再開へ 6月末めど

 決算にこうした影響はどう表れているでしょうか。


前第三四半期
(百万円)
当第三四半期
(百万円)
対前年同四半期
(%)
売上高 347,782 383,410 10.2
売上原価 140,488 165,046 17.5
売上総利益 207,294 218,363 5.3
販管費 201,525 216,925 7.6
営業利益 5,768 1,438 -75.1

 
 すき家では長らく店舗の休業や深夜休業が続いていましたが、売上高は前年同期比で10.2%の増加です。ただし、ゼンショーは複数の外食事業を保有しており、カテゴリー別の売上高をみると牛丼カテゴリーはマイナス2.7%、「ココス」や「ジョリーパスタ」等のレストランカテゴリーは1.4%の微増。

 一方で回転寿司の「はま寿司」を運営するファーストフードカテゴリーは29.1%増、その他カテゴリーは29.9%増となっており、牛丼以外の事業が売上増に貢献しています。

 次に売上原価を見ると、売上の伸びを上回る17.5%増となっており、円安によるコストアップの影響がうかがえます。

 人件費や地代家賃などから構成される販管費は7.6%増。ここは労働環境の適正化、つまりは残業代の不払いをやめたりワンオペを廃止し店員の複数配置を進めていけば当然、増えていくことになります。

 店舗数が増えていたり深夜休業分の人件費が減少していたりもするので、労働環境の適正化による費用がすべてを占めるわけではないでしょうが、販管費の増加分を金額で見ると154億円です。

 ちなみに以前、このブログで従業員に支払うお金の売上高に対する比率は吉野家に比べてすき家が約4%少ないと書きましたが、当第三四半期の売上高の4%を算出すると153億3600万円になり、販管費の増加分と非常に近い数字になります。
(参考:仕事にゅうす すき家で連鎖的閉店が起き、吉野家で起きていないのはなぜか

 この辺の数字を見るとおそらく、ゼンショーHDが表明した通り労働環境の適正化は進められているのかな、と思われます。今日はランチに近くのすき家で牛すき鍋を食べてきたのですが、店員は3人配置されオペレーションには余裕がある様子でした。

 ただし、売上原価の増加も相まって、営業利益はマイナス75.1%と大幅に減少しました。純利益も25億円の赤字です。事業カテゴリー別の利益額はオープンになっていないのではっきりとはわかりませんが、すき家はまともに人件費を使うと儲からない事業なのではないかな。

 では今後、ゼンショーHDはどう事業を立て直すのでしょうか。

 決算短信に記載されている事業カテゴリーごとの出店をみると第三四半期の牛丼カテゴリーは62店舗出店、38店舗退店なのに対し、はま寿司を含むファーストフードカテゴリーは75店舗の出店となっています。そこからはデフレ業態で競争の厳しい牛丼から回転寿司へ成長の軸足を移していく方向性が読み取れますが、果たしてどうなるか。

 ワタミと同様、今後もウォッチしていきたいと思います。

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